DislikeMan~男なんて嫌い~
また彼の腕に収まるのだろうと思っていると、直前でピタッと止まった。
急にドアップになった端正な顔に戸惑っていると、さらに近づいて来る。
「んっ……」
抵抗する暇もなくキスが来て、まったく思考回路が働かなくなった。
途端に口の中にぬるい液体が流れ込んできて、次第に味が広がってそれがシャンパンだと言うことを教えてくれる。
それと同時に、あぁこれはさっき薪坂さんが飲んだやつだと頭の働かないなりに理解した。
ゴク…と飲み込むとゆっくり彼は離れた。
じっと見つめられて、私も目を反らせなくて、しばらくするとまた彼の顔が近づいてくる。
今度はそっと目を閉じて彼のキスを受け入れた。
「ん……」
さっきより少し深めのキスに腰が抜けそうになると、そっと支えてくれたりする薪坂さんに優しさを感じた。
なんだか……イメージの違う人。
初めて会ったとき、優しそうな雰囲気を持ってて、この人なら安心できるかなと思ったから誘いを受け入れたのに。
こんなことする人に見えなかったのに。
でも、全然いやじゃない自分も不思議だし、心地良いとさえ感じてしまいそうになってる。
意識が遠のきそうになったとき、優しくゆっくりと離れた唇をまた求めてしまいそうになって驚いた。
自分、こんなにも男性相手に平気でいられた。