DislikeMan~男なんて嫌い~
私をこんなに変えてくれたのは誰?
……紛れもなく、この人たちだ。
「ごちそうさま」
妖艶な笑みを見せて、ギュッと抱きしめてくれた。
「俺ね、ほんとに恋歌ちゃんが好きだよ。……あの2人のどっちにも負けないくらい」
肩を掴んで離して、まっすぐに目を見つめられる。
「これだけは、自信を持って言えるよ」
柔らかく優しい雰囲気はあの時のまんまだ。
「………おい、こら。ガキ」
良い雰囲気で見つめあってたら、後ろから超不機嫌な低い声が響いた。
「わ、心次」
「『わ、心次』じゃねぇーよ。いんの分かっててやってたろ、お前」
お酒のせいなのか、卿渓さんはいつもより口が悪い。
「え、そんなことないよ」
誰が見ても嘘だとツッコミたくなる顔で言って、彼は私の横を通り抜けた。
「心次も、恋歌ちゃんと2人になりたいんでしょ?…いいよ、交代」
言いながら手をひらひらさせて部屋へ戻って行った。