DislikeMan~男なんて嫌い~
去り際、早苗に″進展したら即電話ね″なんて囁かれて、苦笑を漏らすしかなかった。
「……俺らはどうする?」
如月さんが困ったように眉を寄せる。
「はいはいはーい!!俺、恋歌ちゃんお持ち帰りね」
バッと卿渓さんから私を奪って、自分の腕の中に収める。
『……』
じっと冷めた目で薪坂さんを見つめる二人に、私まで背筋が寒くなった。
「な、なんだよ…、そんな目しなくたっていいじゃんか…」
私の後ろでシュンとなって呟いた彼が可愛くて、思わず笑ってしまった。
「まぁ、とにかくここ出ようぜ」
卿渓さんの一言で、とりあえずお店を出ることになった。
外に出ると、あたりはすっかり暗くなっていて、ちょっと肌寒いくらい。
「恋歌ちゃん大丈夫?寒くない?」
如月さんが優しく問いかけてくれて、それに私はちょっと首を振って答える。
「平気です。ありがとうございます」
「ねぇ、恋歌ちゃんさ。いい加減敬語やめない?」
相変わらず私の腕に引っ付いてる薪坂さんが上目使いで首を傾げた。
この人、私らよりよっぽど女子力あるよ…。