DislikeMan~男なんて嫌い~
春瀬の腕と触れている部分が、どんどん熱を持っていく。
それは、恐怖に近い感情からくるものだった。
「てめっ…恋歌ちゃんから離れろ」
掴みかかろうとした薪坂さんを卿渓さんが引き止める。
「何があったのかわかりゃしねぇがな、震えてる女抱きかかえ続けるなんて、お前それでも男かよ」
冷静なのに、それが返って怖さを感じさせた。
「あ?お前らずいぶんこいつのこと気に入ってんだな」
ククッとまた笑ったやつは、あろうことか私に唇をつけた。
『なっ…!?』
3人が声を合わせて絶句する。
「んっ!?」
私は必死に抵抗して、やっと春瀬から顔を背ける。
「もう離してっ!!」
奴の胸板を押すと、以外にもすっと離してくれた。
その瞬間、今度は後ろから薪坂さんが私を抱きしめた。
体中から汗が出て、震える足はもう私を支えてはくれなかった。