DislikeMan~男なんて嫌い~
そのままへたっと座り込んだ私を支えるように、薪坂さんも一緒にしゃがんだ。
「恋歌。お前あん時のこと忘れたわけじゃねぇだろ?
……男なんてみんな同じだよ」
勝ち誇ったような笑みを見せて、もう一度ククッと笑うと春瀬は私たちに背を向けて去って行った。
「なんなんだよ、あいつ」
耳元でボソッと囁かれた言葉に、私の胸はキュっとなった。
″男なんてみんな同じ″
春瀬が去り際に残したことばが、妙に耳についた。
「恋歌ちゃん、大丈夫?送って行こうか」
私の前にしゃがんで優しい笑顔で微笑みかけてくれた如月さんのかおと、さっきの春瀬の顔がダブって目を反らす。
「いいえ……1人で帰れますから」
思わず冷たく言ってしまって、後悔した。
だけど、今はあまり男の人と関わりたくないと思ったのも事実で。
「……じゃあ、駅までは送るから、気を付けて帰ってね」
手を取ってもらい、立たせてもらうと、如月さんが静かに言った。
「……はい…」
そこから私たちは無言で、駅まで向かったのだった。