DislikeMan~男なんて嫌い~
あの時と同じ恐怖が背中を這い上がってくる。
「んっ…や…っ」
首筋に埋まった春瀬の頭を必死に引きはがそうと抵抗する。
「ちょ…っ、やだってば!!春瀬!!……やっ!!」
……。
「…ゆ、め…?」
ガバっと起きあがった背中は、汗でびっしょり濡れていた。
布団を握りしめた手も、首回りも、体中が汗をかいていた。
「なんて夢……」
ベッドの上で頭を抱えて、ため息を吐く。
それにしても、やけにリアルで恐ろしい夢だったな…。
それと同時に、昨日の出来事も鮮明に思い返してしまった。
″ずいぶん嫌われたもんだな″
″男なんてみんな同じだよ″
″あん時のこと忘れたわけじゃねぇだろ?″
背筋を寒気が通って、ぶるっと身震いした。
目を閉じて深く息を吸うと、わざと声を出して吐き出した。