DislikeMan~男なんて嫌い~
理由もなく、私の心臓はドキドキと心拍数をあげていた。
「目的…ねぇ……」
そう意味ありげに呟いた彼は、よっと体を起こすとゆっくりとした足取りで近づいて来た。
怖くなって2,3歩後ずさった。
目線を私と合わせるようにちょっと腰を曲げて、クイッと顔を近づける。
「俺と……やり直さねぇか?」
外が暗くなったのも手伝って、冗談なのか本気なのか、表情の判別がつかなかった。
「は!?…なに、言ってんの……春瀬…」
目を泳がせながらおどおどしていると、急にギュッと抱きしめられる。
「ちょ!!離し……」
「一昨日、お前と一緒にいたあの3人見てたら、なんかすげームカついた。
俺の前で見せたこともないような顔して笑ってるお前にも、そんな顔させるあの男たちにも。
カッコ悪ぃけど、俺、本気だったんだぜ?マジでお前の事、好きだったのに…」
私の言葉を遮って話し出した春瀬の言葉は、あの夢とリンクした。
″俺は本気で好きだったのに……。なんで拒絶した!?なんで俺の前からいなくなった!?″
そうすれば、必然的に襲われそうになったこともフラッシュバックしてきて、変な汗が止まらなくなった。
「あの日。無理やり犯そうとして悪かった。ああでもしねぇと、お前が離れて行きそうな気がしてた。
結果、逆効果で恋歌はいなくなったけど」
顔は見えないけど、ギュッと胸が締め付けられるような声だった。