DislikeMan~男なんて嫌い~
なんだか一瞬、高校の時に戻ったみたいで、不思議な感覚に襲われた。
「あの時から、お前が離れなかったことなんかねぇんだ。
こんなんだし、お前に嫌われても仕方ないって思ってたし、諦めたつもりだったのに……。
一昨日会ったとき、変な嫉妬みたいな気持ちで胸がモヤモヤした。あいつは絶対誰にも渡せねぇって、もう彼氏でもなんでもねぇのに思った。
だから……、もう一度、俺にチャンスをくれよ。もう一回、俺とやり直そう」
言い切って、やっと離してくれたけど、腕が掴まれたままだった。
春瀬の言ってることはちゃんと理解できたけど、どう答えればいいか分からなかった。
今更やり直そうとか言われても、私の気持ちは春瀬には全くない。
まして、自分を男嫌いに陥れた彼が憎くないわけなんか無くて。
「……」
黙り込んだ私を心配そうな目で見つめる春瀬の気持ちが痛くて、涙が出そうだった。
「…ごめっ…。
ごめん……」
必死に涙を堪えて絞り出した言葉は、あまりにも小さく、だけど2人しかいない屋上には驚くほど響いた。
「……そうかよ…」
ボソッと呟いた春瀬の雰囲気が、一気に変わったのが分かった。
また、あの夢と同じだ……。