DislikeMan~男なんて嫌い~



されるがままになってるけど、本当は心臓がバクバクしてて、話が進むたびに涙が出そうになってる。


「恋歌ちゃんを見つけたとき、まるで死んでるみたいに動かなくて、心臓が止まるかと思った……」


耳元で囁いた彼は、さらに強く私の頭を抱きしめた。


「生きてて、良かった。


生きててくれて……良かった」


その言葉に涙が止まらなくなった。


ずっと我慢してた滴が絶え間なく溢れ出した。








「如月さん…ありがとうございました」


涙も止まって、落ち着いた私をそっと離してくれた彼に、真っ直ぐ目を見てお礼を告げた。


「お礼なんかいいよ。大切な人がピンチの時に、なにもしないなんてあり得ないでしょ?」


なんて優しく言われたら、心拍数が早くなるに決まってる。


「で、でもっ!!なにかお礼させて下さいっ」


視線は合わせられなかったけど、感謝の気持ちを表したかった。


「そっか…。じゃあ、一つお願いしようかな」


その声にパッと顔をあげれば、黒い笑みを浮かべた如月さんと目が合った。


< 365 / 400 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop