DislikeMan~男なんて嫌い~
されるがままになってるけど、本当は心臓がバクバクしてて、話が進むたびに涙が出そうになってる。
「恋歌ちゃんを見つけたとき、まるで死んでるみたいに動かなくて、心臓が止まるかと思った……」
耳元で囁いた彼は、さらに強く私の頭を抱きしめた。
「生きてて、良かった。
生きててくれて……良かった」
その言葉に涙が止まらなくなった。
ずっと我慢してた滴が絶え間なく溢れ出した。
「如月さん…ありがとうございました」
涙も止まって、落ち着いた私をそっと離してくれた彼に、真っ直ぐ目を見てお礼を告げた。
「お礼なんかいいよ。大切な人がピンチの時に、なにもしないなんてあり得ないでしょ?」
なんて優しく言われたら、心拍数が早くなるに決まってる。
「で、でもっ!!なにかお礼させて下さいっ」
視線は合わせられなかったけど、感謝の気持ちを表したかった。
「そっか…。じゃあ、一つお願いしようかな」
その声にパッと顔をあげれば、黒い笑みを浮かべた如月さんと目が合った。