DislikeMan~男なんて嫌い~
一人で泣きそうになっていると、不意に腕が解かれて彼が立ち上がる。
「じゃあ、俺帰るね」
その表情はなんだかスッキリとしていた。
「あ……あの……」
何か言わなきゃと、玄関に向かった如月さんを思わず呼び止めた。
「ん?」
いつもと変わらない、優しい笑顔で振り向いた。
「あ…いえ……。
いろいろ、ありがとうございました…」
私の言葉に無言で笑って、そのまま家を出て行った。
しばらく玄関の方を見つめたまま、その場から動けなかったけど、不意になったケータイの着信音で我に返った。
よっこいしょ、と腰を上げてケータイの元へと行く。
「誰…」
ポツンと呟きつつケータイを開けば、2通来ていたメールはどちらも如月さんだった。
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To.宮沢恋歌
From.如月秀弥
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今日は楽しかった。
ありがとう。
あんまり難しく考えなくていいよ。
恋歌ちゃんが幸せになれると思う人を、
選べばいい。
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先に来ていたメールは涙腺崩壊間近の文章だった。