DislikeMan~男なんて嫌い~



「そうです。恋歌ちゃんの彼氏の、薪坂洸季です」


「ちょっ、違います!!まだ彼氏じゃ……」


涼しい顔して勝手に自己紹介してしまった薪坂さんの言葉を慌てて取り消す。


「まだ、ってことはそのうち彼氏にしてくれるんだ」


ふーん、と妖しい目つきに変わった彼の言葉に顔を真っ赤にさせる。


「と、とりあえず座りましょっ」


彼ともおばさんとも目が合わないようにして少し奥の席に座る。


「何にしますか」


ニコニコしたおばさんがメニューを持ってオーダーを取りに来る。


「私いつものサンドイッチで。薪坂さんは?」


薪坂さんの顔を直視できずに聞けば、ニッコリ笑って同じの、と言った。


「仲良くて羨ましいわ」


なんて茶化して、おばさんは厨房へ去っていった。


始めにおばさんが持ってきてくれた水を一口飲んで、チラッと薪坂さんを見る。


「っ……」


ある程度予想はしてたけど……。


そんな真っ直ぐ見つめられたら照れるって…。


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