DislikeMan~男なんて嫌い~

卿渓さんとの思い出をおおまかに話してくれた早苗だけど、その目には少し苦いものがあった。


「あんまり……卿渓さんといい思い出ないの?」


「ぅん・・まぁね」


ちょっと苦笑いする顔を見ても、卿渓さんはホントに私の苦手なタイプかも。


－…にしても、早苗にも彼氏いたのね。


妙なところで感心している私をよそに、早苗の顔はいまいちスッキリしない。


どんだけ、卿渓さんとの思い出が苦いのよ。


一人で突っ込んで、考えてを繰り返してる私を横目でチラっと見てから早苗は深く息を吐くと、口を開いた。


「心次には……気をつけてね」


いきなり何かと思えば、元彼の注意点を話し出した。


惚気てんのかと思ったわ、一瞬。


「気をつけてって……何が?」


「アイツ、浮気性だからさ」


まさか、早苗は私が心次さんと付き合うとでも思ってるのでしょうか?


だったら相当な勘違い。


私には、しばらく男性と付き合うつもりは全くないから。


「ね、早苗…。何か勘違いしてない?」


「勘違いなんてしてないよ。注意ってか忠告ってか……」


やっぱ、何か勘違いしてるような気が…。