DislikeMan~男なんて嫌い~



「は?」


いきなりニヤけるから何かと思えば、私の男嫌いがちょっと治った!?


「いや、だって誘われて迷ってるわけでしょ?」


「まぁ、そうだけど……。だからって___」


「悩むってことは、少なくとも完全にイヤだってわけじゃないでしょ?」


確かに、"もちろん無理にとは言いませんが"って書いてある。


前の私なら、そんなことが書いてあれば即座に断りのメールを返してるはず。


迷うってことは-…早苗の言う通りなのかなぁ?


「じゃ、どうしたらいい?」


「そんなん、私とじゃなくて薪坂さんと行きなさいよ!!」


バンっと私の背中を景気よく叩いて言った。


「そっか……。じゃ、そう返事するよ」


「ったく、なんでこんなことで悩んでるのかね。こんなに簡単な問題ないよ」


少し馬鹿にするような口調で私を横目で見る。


「すいませんねぇ」


早苗にべぇっと舌を出して、薪坂さんにメールの返事を出した。


明後日、リサイタル。


手帳にメモしてふっと息をつく。


早苗に聞いてよかったかも。

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