DislikeMan~男なんて嫌い~
あれから、少しの間街をぶらついてたけど、結局何を買ったわけでもなくて、家に帰って来た。
今日の夜食べるもの、あるのかな。
冷蔵庫を覗いて、唖然とした。
「何にも…ないじゃない」
そうだ。今日はどうせ夕食を薪坂さんと食べると思ってたから、買い物は明日でいいやって思ってたんだ。
「あぁ、最悪」
でも、もっと最悪なのは、薪坂さんがなぜか待ち合わせに来なかったこと。
リサイタル行けないって言って電話切ったけど、どうしたんだろう。
真相を確かめたかったんだけど、薪坂さんの家知らないし…電話しても、出なかった。
だからこうして仕方なく帰ってきたんだけど。
プルルルル___
「電話だ…」
ケータイを鞄から取り出してディスプレイを見る。
早苗からだ。
「もしもし、早苗?」
「うん。大変だよ、恋歌!!」
早苗のものすごい声が聞こえてきて、一瞬ケータイを耳から離したくらい。
でも、大変って。
「何が、大変なの?」
「薪坂さんが…事故に遭って…」
え…。