DislikeMan~男なんて嫌い~



そんなこと、考えてもみなかった。


そういえばそうだな。


誰かが大家さんに頼んで、この部屋の鍵を開けてもらって、玄関に花を置いたのかもしれない。


だから、大家さんのところ、行ってみよう。


「ここだよ、大家さんの部屋」


ということで、早速大家さんの部屋の前にきた私と早苗。


チャイムを鳴らすと、5秒ほど間が開いたあと、はぁいと間延びした声が聞こえた。


「あら、恋歌ちゃん」


このマンションの管理人は、よくいる口うるさいおばさん系じゃなく、すごく人当たりのいい40代後半のおばさん。


ここに引っ越してきたときも、すごく丁寧に優しく接してくれてそれから何かと話をするようになった。


「こんばんわ。あの、ちょっと聞きたいことがあって」


おばさんは、早苗のことも3回ほど見てるから、お互い顔見知り。


「なにかしら。ちょっと待ってね」


おばさんはそう言うと、ドアを完全に開いて閉じないようにしてから、部屋の中に入っていった。


おそらく、片付けでもしているのだろう。


「……ごめんね。どうぞ、入って」


お邪魔しますと2人で声を揃えて言うと、玄関で靴を綺麗に揃えて、居間に入った。


おばさんの部屋には2回くらい入ったことがあるけど、そのときと印象は変わらず、とても綺麗に片付けてあった。



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