DislikeMan~男なんて嫌い~



「はい、どうぞ。何もないけど」


おばさんは私と早苗にお茶とお菓子を出してくれて、自分もお茶を飲みながら私たちの前に座った。


「で?聞きたいことって何かしら」


「あ…えっと。最近、私に届け物があるとかって訪ねてきた人、いませんか?」


「え?……あぁ。いたわね、1人。結構いい男だったわよ」


おばさんはちょっと笑ってまたお茶を飲んだ。


「その人…、名前言いましたか?」


おばさんがいい男だったって言うってことは、きっと喋ったんだろう。


そのときに、名前でも聞いててくれればな…。


「いいえ。聞かなかったわね。宮沢さんのお部屋に届けたいものがあるんですけど、って言ってただけだから、てっきり恋歌ちゃんの知り合いかと思ってたわ」


「そうですか……」


まぁ、私の部屋を訪ねてくるんだから私の知り合いだと思うことは当然だ。


でも、顔を見てるわけだから…。


「ね、早苗。この間の合コンときの写真とかない?」


私を訪ねてくる男の人といえば、この間合コンをした4人しかいない。


だから、その4人の写真を見せれば、おばさんもわかると思う。


「え?……あぁ。あるね。ちょっと待ってよ」


早苗はケータイを取り出して、キーを操作しながら、何かを探しているようだった。


「あ。これこれ」


早苗が私とおばさんに向かって突き出したケータイには、確かにあのとき8人で撮った集合写真があった。
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