DislikeMan~男なんて嫌い~


あ、でも。


まだ如月さんが花束を贈ったって決まったわけじゃないのか。


「あの……。この人、花束持ってましたか?」


「えぇ、持ってたわ。こんな大きいのね」


おばさんは手を広げて私の部屋においてあったくらいの大きさを示した。


……確かに、如月さんなんだ。


「そうですか……」


おばさんにそう答えながら私は上の空。


如月さんの顔を必死で思い出してるところ。


いや、思い出すも何も早苗のケータイの写真を見ればわかるんだけど。


どんな雰囲気の人で、どんなしゃべり方の人だったかなぁと思い出してる。


でも、ぼんやりとしか思い出せなかった。


「恋歌?どした?」


「……いや、なんでもない。おばさん、お邪魔しました」


おばさんに挨拶をして、早苗の腕を引っ張って立ち上がり、玄関へ歩いていく。


おばさんたちの間で定番の"お構いもしませんで"という言葉を背に受けながら。


私の部屋に戻ると、二人でソファに勢いよく座り込む。


「ハァ…」


「何そんなショックみたいな顔して」


「ショックだもん」
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