DislikeMan~男なんて嫌い~
「何がよ」
「何かが」
得に意味のつかめない会話ばかりだけど、うちらには何か伝わるものがある。
もう一度深くため息をついて、目を閉じる。
「ねぇ、恋歌?如月さんと会ってみれば?」
唐突に早苗が言った。
「会ってみるって…。イヤだよ、そんなん」
いまだに男嫌いが治ってないんだと思うけど、男と2人で会えって言われるのは、抵抗がある。
……複数でも、若干抵抗はあるけど。
「恋歌はさぁ、私と違ってかわいいし、男受けするじゃない?それなのに、男嫌いだから、余計男にモテるんだよ」
独り言のようにつぶやく早苗を、驚きの目で見つめてる私。
どうしちゃったの、早苗。
「だからさ。男嫌いだなんて言ってないで、少しでも治るように努力すれば?」
「……早苗」
「……ゴメン」
私たちが長年親友をやってきてできた暗黙のルール。
私の前で男嫌いを治すように努力をすれば、って言う言葉は絶対口にしないこと。
何よりも、私自身が努力してもダメだったんだもん。
人にそこを指摘されるほど腹の立つことはない。
「ゴメン。どうかしてる、今日の私」
早苗は少し寂しそうに笑った。