天使の足跡
第7章:天使の足跡
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休日の朝。
表に出て、溜まりに溜まってしまったゴミを一気に出した。
環境への配慮の欠片もない。
ゴミには生活が現れるというけれど、まさにその通りだと思う。
部屋に戻ってくるとまずキッチンで手を洗い、冷蔵庫を開けて牛乳パックを取り出した。
ドアを閉めた時、貼り付けてあったカレンダーが目に写る。
気がつけばもう10月に入っていた。
太田に歌を聞かせたあの日から、1ヶ月近く経過していた。
学校に行けば、冬服と夏服が混ざりあっていて、季節の移り変わりを感じた。
気温も数値的には低下しつつあるし、河原を吹きわたる風もいくらか強くなった。
そんな身近な景色が地道に変化していく中で、これだけの時間が一度に過ぎていることに実感が持てなかった。