狂愛ラバーズ
地を這うような低い声を出し舌打ちまでオマケする姿はかれんには見せられない。





「わりー、わりー。でも、奥様の目キラキラしてたんだぜ?一発ヤったんだろ?んな怒んなよ。」





はははっと悪びれる様子もなく下品な琉をぶっ飛ばしたい。





「テメェ、覚えてろよ…。泣いて縋ったって助けねぇからな。」





一方的に電話を切り、少しスカッとした。





「海斗さん。」


「お帰り、かれん。早くこっちにおいで。」





腕を伸ばせば引き寄せられたようにフラフラと手を伸ばしてくるかれん。





「あのねっ……お願いがあるの。」

「何?」


「キスして……欲しい、の。」





林檎みたいに顔を真っ赤にさせ、上目遣いをしてくるかれん。





「キスだけで、いいの?」


「う――――…。」


「キスだけ?」




< 101 / 115 >

この作品をシェア

pagetop