狂愛ラバーズ
あともう少しって所で俺とかれんの間に邪魔が入った。





「誰か待ってるの?誰、誰ー?お父さん?お兄さんとか?」


「どっどいてください。」


「ビックリさせちゃったねー。怯えないでよ。」





かれんに迫る奴を今すぐ八つ裂きにしたい。





「旦那さん……待ってるんです。」

「旦那ぁ?あははっ、どー見たって君たち高校生じゃん。」





隣にいる樹くんも不機嫌オーラを出し、今にもやってしまいそう。




小さくため息をつき、邪魔な奴もというちの課の中川に一発お見舞いしてやろうと手を伸ばしたが、その手は居場所をなくしてしまった。





「わーっ、凄い!まりあもやってみて?」





感激するかれんの足下には意識が遠退いた中川。





ゆっくりと状況を確認していけば、かれんの手には黒い物体………スタンガンが握られていた。




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