狂愛ラバーズ
仕事帰りに陸と待ち合わせして、好きな子やらとがいる居酒屋へ向かった。





予約をしていたらしく、案内されたのは個室だった。





ドアを開けてビックリ。4人の女性が一列に並び座っていた。





怪訝な顔をした僕に気づいた陸は悪びれもなく、照れた様に笑った。





『海斗、合コンだって事言い忘れてた。お持ち帰りOKだから。』





社会人になって初めて殺意が沸いた瞬間だった。





それからは引き摺られるように座らされ、いつの間にか左右には名前も知らない香水臭い女が陣取っていた。





左の女性がひっきりなしに話かけてきたから、その人がリカちゃんだかリエちゃんだと思う。





その事を思い出した僕は気を逸らす様に時計に視線を移した。





そろそろ家を出ないとまた陸から連絡がくるかもしれない。





ソファーに沈めていた体を持ち上げ、重い足取りで家を出た。





｢海斗ー!海斗ー!こっちこっちー。｣





片腕を大きく上げ、ブンブンと手を振る陸に呆れからか苛立ちからか、こめかみがピクピクと痙攣する。




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