狂愛ラバーズ
ラの先を言おうとした不良の1人を思いっきり殴った。





誰かを殴るなんて感覚は本当に久しぶりで心が軽くなる。





痛さで苦痛に歪む顔と青ざめていく表情、強がって立ち向かおうとする不良達が可笑しくて面白くて堪らない。





｢おい、クソガキ。誰がロリコンだって?誰がオヤジだって?｣





殴った衝撃で倒れ込んだ不良の腹部を思いっきり踏みつけた。





この歳になってこんな行動を起こす自分も可笑しいが、地を這うような低い声を今でも出せるんだと少し驚いた。





足蹴にされている1人はえづき、あとの2人は顔面蒼白で今にも逃げ出しそう。





固まる2人の前髪を抜けそうなほど掴み、何度もお互いに頭突きをさせる。





鈍い音に2人の小さな悲鳴が心地よかった。





｢海斗、ストップ!｣





突然現実に戻され、我に返る。





僕を制したのは仕事帰りと見える比呂だった。





｢手加減してやれよ。コイツら悪ぶってみあがってるだけだろ?｣


｢クソガキがみあがんなよ。｣


｢はいはい。後は俺が始末しとくから、あの子を連れてけ。｣




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