狂愛ラバーズ
パチパチと瞬きした後ニッコリ笑った顔が可愛くて次に言おうとした言葉を忘れてしまった。





「あの…下着とか……大丈夫です。途中で買ったから……。」


「そっか。……お腹痛くない?薬は――…見てみなくちゃわからないけど、飲まなくて大丈夫。」


「はい。」





顔を赤らめたかれんちゃんの頭を撫でソファーに促す。





「何か飲む?お茶と水とコーヒーしかないけど………冷えたのは飲まない方がいいのかな?」


「大丈夫です。お茶を頂いてもいいですか?」


「わかった。ちょっと待っててね。」





学生だからか随分年下だからか、僕が女性に対してこんな風に接するなんて自分でビックリする。





グラスにお茶を注いで、リビングに向かうと膝を抱え縮こまってるかれんちゃんが目に入る。





すっかり忘れてたけど………男の人が苦手なんだっけ。





「はい、どうぞ。」


「……っ、ありがとうございます。」





体を強張らせるのを見て、笑ってしまいそうになる。





ソッとグラスに手を伸ばしチビチビと飲む姿はやっぱり可愛くて………。




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