狂愛ラバーズ
潤んだ瞳から目が逸らせない。





「海斗さん―――――…って呼んじゃダメですか?」





ピンクの唇から甘い声が出て……。





「―――――いい。」


「え?」


「名前で………呼んで。」


「………はいっ。」





花のように笑った顔は本当に可愛くて、いつまでも見ていたい。





「また…会ってもらえますか?」


「勿論だよ。かれんちゃんとなら毎日会いたいよ。」





真っ赤に染まる顔を見て、疚しい思いが湧いてくる。





「よかったです。私、男の人とこうやって話すのも初めてで……海斗さんが助けてくれた時に王子様と思っちゃいました……。」





かれんちゃん以外の女性がこう言うもんなら失笑ぐらいはするが、かれんちゃんが言うと年甲斐もなく嬉しくなる。





「かれんちゃん。」


「はい?」


「かれんちゃんは男の人と付き合った事ないのかな?」


「なっないですっ。付き合うなんて怖くて出来ません…。」


「僕は怖い。」


「いいえ。怖くないです。」





少女相手にこんな事思うのはいけない事かもしれない。




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