狂愛ラバーズ
今はまだ軽く触れるだけのキス。




馴れてきたら執拗に苦しくなるほどのキスを教えていけばいい。





唇を離すと、ぼんやりした表情で赤くなるかれんちゃんを見て背筋に電流らしきものが走った。





伏せられた長い睫毛も小さな鼻も染まる頬も微かに開いた唇も全てが僕の理性を煽る。





それと同時に不安になってきた。




知らない人にうっかり付いて行きそう……17歳なんだから当然知らない人に付いて行ったりしないと思うが、僕の話を怪しいと微塵も感じさせないかれんちゃんが心配で堪らない。





制服を見る限り、有名お嬢様学校の様だし送迎はされてると思うんだけど、学校にも男性教師がいると思うと余計心配になってきた。




「かれんちゃん。」


「はい。」


「告白ってされた事ある?」


「はい。他校の方と……。」


「他校の方と後は?」


「いいえ、他校の方だけですね。後は冗談です。」


「冗談って何が?」


「中等部の時に先生から結婚してくれって薔薇の花束を貰ったんです。今も1人の先生に好きだって言われてるんですが、私を笑わせる為の冗談ですよ。」




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