狂愛ラバーズ
なんで気付いてやれなかったのかと、自分を悔いた。





かれんちゃんの担任は随分と罵声を浴びせたらしい。





今すぐ殺しに行きたいぐらいだが、俺が捕まってしまったら元も子もない。





俺と社長は、かれんちゃんが目を覚ますまで、待つ事にして夫人は先に帰す事になった。





お互い口を開く事もなく、ただただかれんちゃんが目を覚ますのを待つ。





「………っ………ハッ……。」





21時前だった――――かれんちゃんが身動ぎし、声を発した。





「…っかれん!かれんっ!」


「かれんちゃんっ。」





2人で呼び掛ければ、かれんちゃんは顔をしかめゆっくりと目を開けたが、社長と俺の姿を確認するといきなり叫んだ。





「かれんっ、どうしたんだ!」


「………さ、い。……め、な…い。もっと……しっかりするから……叩かないでっ………失敗作はイヤ………。」


「かれんっ。かれんっ。」


「私……いらない………生まれてきちゃダメ、なの?………死んだら、みんな……嬉しい、の……?」




かれんちゃんの言葉に、思わず歯を噛み締め奥歯が軋む。




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