つよくなりたい

たまらなくて、顔をそむけた。身体中熱かった。

あたしはものすごく切羽詰まってしまって、だから彼の言ったセリフが一瞬理解できなかった。

「ははっ!何だよ~」

………はい∵?


「ぇっ?『何だよ~』って?ぁ、もしかして知ってたとか?!」

「はいはい。わかってるって」

……ん?

何かがおかしい…。

まさか。

「え、あのさ、あたし好きって言ったね?」

「ああ。」

「え、なにその態度」

「何が?」

「オッケーってこと?」

「だから何が?」

…………。

「ぅ、」

「ん?」

「うわぁあぁあぁあぁん!!!!!」

「なっ!どうしたんだよ!泣くなよ!」

「なくわあああ!長谷川っわざとかぁっ!」

「ぇえっ……」

信じられない。

どうやら長谷川は、あたしの精一杯の『大好き』を、『うん、いい友達だもんね』もしくは『人類みんな兄弟だよ愛し合おうよ』みたいな意味だと思ったらしい。

鈍感だ鈍感だとは思っていたが、まさかこんなにだなんて。

ここまで鈍感だなんて。
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