つよくなりたい

「うわあぁあんっ!」

「だから何で泣いてんだよ~!」

「わかんない!?」

「え~?」

「『え~?』って何!?自分で考えてよ~!」

「何だろ…あ!」

「わかった!?」

「うん」

そりゃさすがにわかるよね…。あたしはドキドキしながら次のセリフを待った。

「卒業式だもんな!」

「ええ…っ」

「うんうん、わかるよ。歌の時とか、俺もやばかったし」

「なんでやねん…」

「えっ!違うの!?」

「違うわっ!」

「え~?」

「何でそんな心の底から不思議そうなのよ」

あっ!

言っちゃった!

心の中で言ったつもりだったのに!

「あ!もしかして腹痛いとか!?」

「っは、ははは…っ!ははははは」

もう笑うしかない。

「えぇっ?」

「ええい、心が痛いわ!」

「えぇっ!?あ!何か悩み事なら言えよ!」

その的外れな優しさがいけないんだ!

「…はは。」

「何だよ…。言いなよ」

「いや…ええねん…。もうええねや…」

「え?っていうか、何でさっきから関西弁?」

「知るかぁ!」
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