紙吹雪
そして
「この傷、私のせい、ですから…」
と大きな瞳を伏し、歳三の手に触れた。
ドクンッ
まるで電気が走ったような感覚。
彼女に触れられたところを中心に体中が熱を帯びる。
自然と赤く染まっていく頬。
だが、この感覚の正体を歳三はまだ知らない。
綺麗に包帯を巻いていく少女に止まらない自分の鼓動と体の熱さ。
(な、なんだこれ…)
「よし、出来た」
満足気に顔を上げた少女は可愛らしく微笑んでいて。
ますます上がる体の熱に歳三は為す術もなくされるがままの状態。
「あ、ありがとな?えっと…」
そこで、ふと気付く。
(そういえば俺、こいつの名前知らねぇよな。んでもって、俺も名乗ってねぇような…)