紙吹雪




物取りの話題に反応するっつーことはそれについてか?



……かおの事…?



いや、でもあいつからそんな話一度も聞いたことねぇし。


それとも、それに間違えられる何かか?





歳三が思考をめぐらせ、これまでの惣次郎の生活や交友関係を考えるが、わざわざ隠すようなことは思いつかない。


そもそも道場に来てからというもの、惣次郎は殆どの時間をこの道場で過ごしているのだ。


変な輩とつるむ機会など無いに等しいはず。





あいつ…何隠してんだ…?




「とりあえず、そういうこともあってよ。少し慎重にしなきゃなんねぇみてぇなんだ……それにお前も」





結論は出ないものの、一応惣次郎の話が一段落ついたところで、周平はちらりと歳三を見やる。


その視線に歳三はビクリと大きく肩を揺らした。




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