紙吹雪
面白いくらいあからさまな反応をする歳三に周平は苦笑を浮かべ
「…まぁ、言えねぇなら今はいいさ。でも、ケリがついたらちゃんと話すんだぞ?」
と歳三の髪を乱暴に撫でる。
あぁ…この人はきっとわかってるんだ。
わかってて待っててくれるんだ。
周平の懐の深さに感激するとともに、申し訳なさが募る歳三。
ぐっと手のひらを握り周平に頭を下げた。
「……必ず…必ず話しますので…!!もう少し待ってください…っ」
震える声で言い切った歳三に周平は満足そうに口元を緩める。
その瞳は子の成長を見守る親のように暖かい。
「待ってるからな」
優しい声色でそう告げ、今日は客間を使えと歳三に休息を促す周平。
歳三はゆっくり立ち上がり深々と一礼して道場を後にする。
その後ろ姿を周平の柔らかな笑みが見つめていた。