紙吹雪
違う…違うんだ。
俺が聞きたいのは、言いたいのはこんなことじゃない。
本当は…
目を固く瞑り馨の腕を掴む力を更に強めた歳三は、その力とは裏腹にまるで蚊の鳴くような弱々しい声で呟いた。
「なんで…何で俺は…お前のこと全然知らねぇんだ……なんで…何で何にも知らねぇんだよ…!!」
それだけ。
結局はそれだけで。
俺は何でお前のことを何も知らない?
何でお前は俺に自分のことを隠す?
たった…たった三日。それが歳三と馨が共に過ごした時間。
しかし、歳三にとってその三日間は、なにものにも変えがたい時間だった。
自分の中にあった"女"というものに対する考え方を引っ繰り返された時間なのだから。
女なんて、誰でも同じだと思ってた。