紙吹雪
《痛む心、見えぬ障壁》
その言葉は小さく…本当に小さく紡がれた。
それにも関わらず、あまりにも鮮明に聞こえた言葉に歳三は思わず息を呑む。
「……どういう、意味だよ。」
震える声を無理矢理抑えつけ、ぐっと眉を寄せて馨に問い掛ける歳三。
もっとも、歳三はこの問いの答えなど一つしか存在しないとわかっていた。
それがわからないほど馬鹿ではないし、空気が読めないわけではない。それでも僅かな期待とともに口から出た言葉。
…っくそ、心臓バクバクいってやがる…っ!!
歳三は眉間のしわを濃くすると、黙っていても耳に響く自らの心音に心の中で舌打ちした。