紙吹雪
《自己紹介》
流れた空気は軽くない。
「…危ない目に、あうかもしれません」
それでも知りたいですか?
と続けた少女は心配そうな眼差しで歳三を見上げた。
少女の表情に、場違いだとは思いつつも可愛いと思ってしまった歳三。
その表情を拭いさってやりたくて。
「心配すんな!俺、これからどんどん強くなっから!」
歳三はニカッと笑い、くしゃくしゃと少女の頭を撫でる。
つい先日、勝っつぁんと俺とじゃ…と悩んでいた人物と同じとは思えないほどの笑みを浮かべる歳三だが、どこからそんな自信が出てくるのか。
それは歳三も理解していない。
ただ、本能的にこう言わなくては、と思ったのだ。