紙吹雪
「なぁに情けねぇ声出してんだ?」
その言葉にびくりと震える歳三の肩。
歳三があけた空間にゆっくりと腰をおろした為二郎は、くつくつと可笑しそうに喉の奥で笑いながら歳三の様子を窺っている。
そんな為二郎からの視線に耐えられないのか、歳三は居心地悪そうに地面を見つめたまま口を開こうとしない。
歳三は為二郎の何でもわかってしまいそうなこの声色が苦手だった。
隠し事など無意味だと言われているようで。
昔から、為二郎に問いただされると何でも素直に話してしまいそうになるし、実際必要ないことまで喋ってしまう。
「なんだ歳、珍しくふられたか?」
今回もそうなりそうな雲行きだ。