紙吹雪
……何でこの人は俺の女関係(寧ろ問題?)に異常に詳しいんだ。
そう思った歳三だったが、それを聞く元気も今の歳三には残っていない。
…そういや、俺が奉公先辞めさせられたときも初めっから"今度は誰に手ぇ出したんだ?"って笑って問われた気がする。
…んで、まぁ誘導尋問の如く根掘り葉掘り聞かれて答えちまったような…
そんなことを思い出しながら、歳三は隣に座る恐らく一生涯逆らえないであろう兄にそろそろと死線を向けた。
そこに見えたのは、やはり何もかも見透かしていそうな笑みを浮かべている為二郎で。
歳三は観念したとでもいうように、ゆっくりと重たい口を開いていく。