紙吹雪




頷くと同時に更に曇っていく歳三の表情。


それは今にも雨が降りだしそうな曇天のようで。

周りに纏う空気すら重く冷たく色を変える。


そんな歳三を横に感じた為二郎は興味が湧いた。


歳三をいとも簡単にここまで追い込んでしまう、その少女に。




「何があったんだ?」




為二郎は自らが抱いた興味を隠すように、優しく歳三の頭を撫でながら問い掛ける。


為二郎の穏やかで柔らかな声色に誘われたのか、歳三は一度ごろりと寝返りをうつと小さく小さく話し始めた。




「……ずっと、待ってたんだ…」




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