紙吹雪
為二郎のその言葉に歳三の理性を繋いでいた僅かな糸がぷつりと音をたてて切れた。
そして歳三は流れる涙もそのままに言葉を吐き出していく。
自分一人では抱えきれぬほど大きくなってしまった思いを全て。
最近騒がれている物取りの犯人が馨だったということ。
自分でも驚くくらい馨を好きになったこと。
そして、今日会ったときに言われたこと。
走馬灯のように流れる記憶をただただ胸の痛みを拭うように為二郎に話した。
誰かに話さなければ、歳三自身壊れてしまいそうで。
俺、だっせぇ…
想像以上の己の未熟さを頭の隅で痛感する。
それでも話してしまったのは、きっと歳三の中にある馨への気持ちを嘘にしないため。