紙吹雪




弟が成長していく瞬間を間近で見ることが出来るのは何とも感慨深いものだ。




「あぁ…よく考えてみろ。お前の性格からして、彼女の仕事がどんなもんかわかったら無理にでも首を突っ込むだろ?」




確信のあるであろう問いに、ぎくっと不自然すぎる動きで揺れた歳三の体。


図星を突かれた歳三は、為二郎の言葉に気まずそうな表情を浮かべながら小さく頷く。


言い返せる言葉などあるはずがない。



熱しやすく冷めやすいが、一度気になると思ったことには猪突猛進にのめり込んでいく歳三。


そんな自分の性格を歳三はきちんと理解している。




「彼女の仕事はきっと簡単なものじゃない。命懸け、なんだろうよ。だから…お前を巻き込みたくなかったんじゃねぇのか?」




< 164 / 320 >

この作品をシェア

pagetop