紙吹雪




しかし、そんなものは全てただの言い訳で。


本心なんて本当は初めから決まっているもの。



どれだけ言い訳を連ねても、嘘を塗り重ねようとも変わることのないそれ。



くだらない自尊心とか自分勝手な誇りとか、全部投げ捨てて己と真っすぐに向き合ったとき出てくる答えはたった一つ。



それは眩しいくらい聡明な宝のような感情。




「…好き、なんだ…」




その一言が口から漏れたとき、久方ぶりに歳三の顔に戻ってきた穏やかな笑み。

ここまで辿り着いてしまえばあとは悩むことなど何もなかった。


自分に出来ることなど決まっているのだから。




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