紙吹雪
小さな体で一人何かと戦っている馨。
馨の背負うものがどれほど大きなものなのか。
それは到底、歳三の知識が及ぶものではないのかもしれないけれど。
それでも、ほんの僅かでも馨が背負うその荷を一緒に背負うことが出来たならと歳三は深く自身の心に言葉を落とす。
「…ただ、信じて…守ってやれたら、いいんだ…」
ごろんと仰向けになり、ぐっと天井に向かって手を伸ばす歳三。
開いた手のひらは記憶にある馨の手よりずっと大きい。
「俺は…男、だからな…」
女のかおとは違う。
俺の体はかおより大きく出来てるんだから。
この背の後ろであの小さな体を守れるように。