紙吹雪
そんな頭の中を整理しながら、順に記憶をたどっていく。
歳三が彼と話をしたのは馨を追い掛ける少し前のこと。
歳三は薄れつつある曖昧な記憶を必死に呼び起こし彼の言葉を探す。
"……追、うな……"
…そうだ。
あのおっさんは黒猫を追い掛けるなって言ったんだ。
曖昧な記憶ではあるが、あの時男は確かに関わるな、と歳三を引き止めていた。
しかし、歳三は思い出した彼の言葉に不思議そうに首を捻る。
「…何で追い掛けちゃいけなかったんだ…?」
まぁ…実際追い掛けた俺としては、追わなきゃよかったかもとか思ったりもしたけどよ。