紙吹雪




故に、どうしても彼の言葉が気掛かりでならない。


仮にも相手は幼い女である。

あれほどまでに恐怖する必要はないであろう。


そこまで考えて歳三が辿り着いたのは一つの仮説。




…もしかして、あの人は自分が狙われること…わかってたのか…?




それはあの家の当主自身が狙われる理由を知っていた、というものだった。


そして、それを行う相手…馨のことも。



一つの仮説でしかない考えだが、可能性は十二分にある。

違ったときにはまた何か他の可能性を考えればいいと腹を括った歳三は、脇目も振らず一心不乱に走りだした。


向かう先は勿論、あの日襲われた大きな屋敷。




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