紙吹雪
歳三の瞳孔が開きそうなほどの異常な気迫に押されたのか、青年は歳三にここで待つよう伝えると足早に屋敷の中へと駆けていった。
青年の様子から見て、そのまま知らん顔をするような気配でもなかったため歳三は素直に門の前に腰をおろし彼の帰りを待つ。
その間も歳三の頭の中を占めるのは馨のことばかり。
…あー…会いてぇ…かお、どこにいんだよ…
はぁ、となんとも辛気臭い溜息をはき広く澄んだ空を仰ぐ。
頭にくるくらい綺麗な空に思わず泣きそうになった歳三。
それでも、この空が馨に繋がっているのかと思えば幾分心は軽くなって。