紙吹雪




…あ、れ…?




そんな主人の微笑みにどことなく違和感を感じた歳三は思わず彼を凝視した。




…こんな感じの人だったっけ…?




男の纏うゆるりと穏やかな雰囲気。

それは初めて彼を見たときの印象とは異なっているように思えて。


とはいえ歳三が彼と言葉を交わしたのはものの数十秒間の話。

その後の衝撃的な出来事のせいで歳三の記憶が混乱している可能性も十分ある。


感じた違和感を拭うことは出来なかったが、それを正当とする確かな確信もなかった歳三は促されるまま主人の目の前に腰をおろした。


いつの間にか案内してくれた青年は姿を消し、部屋には主人と歳三の二人のみ。




< 192 / 320 >

この作品をシェア

pagetop