紙吹雪
ただの商いではない仲介業。
歳三の目に不審の色が浮かぶ。
そんな歳三の疑いを含む視線に苦笑しながら、庄左衛門は再び口を開いた。
「…いろんなものを、取引してるんだ。あの日…彼女が探していたものも、一時は確かに私のもとにあったんだ」
「それ、は…彼女が来たときにはもう無かった、と?」
申し訳なさそうに眉を寄せた庄左衛門に、歳三は間髪入れず言葉を続ける。
その言葉にあぁ…と小さく頷いた庄左衛門。
彼の話を詳しく聞けば、どうやら彼は馨が探していたものを他の人間に渡すため一時的にそれを預かっていただけらしい。
しかしそれは馨がここを訪れる数刻前に次の持ち主へと渡ってしまったというのだ。