紙吹雪



歳三がどうしたもんかと片手で頭を掻いたとき




「お薬…効きますか?」




先に口を開いたのは馨だった。


ぎこちなく笑みを浮かべ歳三を見る。


予想外の言葉に歳三は数秒思考がとまったが




「勿論!!当たり前だろっ!」


と満面の笑みを馨に向けた。馨もまた嬉しそうに口元を緩ませる。


そんな馨の表情にホッと息を吐く歳三。




「馨、見てやるからこっち来い」



歳三はちょいちょいと手招きして隣にいた馨と距離をつめると、両手で馨の体を抱えあぐらをかいている自分の膝の上に乗せた。


石田散薬の他にも多数簡易の薬を所持している歳三は、即効性のある薬も同時に手に取る。




おー、やっぱ小っせぇ。




そんなことを思っている歳三とは対照的に思わぬ体勢に呆然としている馨。




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