紙吹雪
「…っつぁん!勝っつぁんいるかー!!」
突然試衛館に響いた叫びにも似た呼び声。
勿論声の主は歳三以外に有り得るわけもなく。
稽古中だった勝太のもとに肩で息をしながらずかずかと遠慮なく駆け込んできた歳三。
その凄まじい勢いに驚いた勝太は思わず手に持っていた竹刀を落とした。
「ど、どうした歳。そんな慌てて」
騒がしい奴だな、と呆れたように笑いながら落ちた竹刀を拾う勝太。
もっともな意見である。
しかし、気持ちが高ぶっている歳三にそんな勝太の声はまったく聞こえていない。
「なぁ勝っつぁん!例の物取りがまた出たんだって!?」