紙吹雪




歳三は息継ぎをすることも忘れ勢いのまま身を乗り出し勝太に尋ねる。


その勢いの凄まじさは言葉にならず。

歳三とそれなりの仲であるはずの勝太も思わず表情を強ばらせ数歩後退りするほどだ。




「な、なんだ歳。もうその噂知ってたのか」




それでも律儀に歳三の言葉に答えを返してくれる辺り、勝太は良い男だという他ない。




「あぁ!さっき偶々野郎たちが話してるの聞いたんだ!勝っつぁんが知ってるっつーことは本当なんだ?」




そんな勝太の優しい心遣いなど塵ほども気付いていない歳三は、キラキラと瞳を輝かせて返事を返す。




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